2013年8月4日日曜日

フィールド・オブ・ドリームス

東北芸工大は山形の街から蔵王連峰の山の端に登って行く斜面にある。
僕のように東京から通う教員のための宿舎が、大学から少し離れた場所にあり、
そこは温泉付きで、ちょっとした楽しみだったりする。
宿舎から大学まで、15分くらいの道を歩いていく。その途中に、こんなグランドがある。




















映画『フィールド・オブ・ドリームス』のワンシーンのような風景。
夏はときどき学生たちと早朝からサッカーをし、冬は数十センチの雪に埋まる。
なんともぜいたくな空間だなと、横目でこの芝生のグランドを眺めながら授業に向かう。




















そこを抜けると、蔵王の雪解け水で年中、豊かな水量が流れる小川があり、
そこに小さな木の橋がかけられている。
夏は周囲の樹々がそこに覆いかぶさるように枝を伸ばし、
まるで緑のトンネルのようになる。

どうってこともない風景だけど、
その数時間後には東京の喧噪のなかにいる僕にとって、

ここを抜けるのは、ふーっと肩の力が抜ける瞬間だ。

2013年8月3日土曜日

山形R不動産がはじまった背景

そもそも、この山形R不動産が始まったのは、僕が東北芸術大学で教え始めたのがきっかけ。
「東京R不動産」の兄弟サイトで、地方版R不動産。福岡、金沢、大阪や神戸などでもやっている。
しかし、山形の場合はそれらと決定的に違う部分がある。それは不動産紹介サイトではなく、街なかのライフスタイル、楽しみ方を表現するメディアに特化しようとしているところ。

最初、学生たちに「魅力的な空き物件を発見してこい!」と号令を掛けた。
一ヶ月後、街なかの空き物件の場所がマーキングされた住宅地図を彼らは持って来た。
僕はそれを見て驚愕する。
「空き物件だらけじゃないか・・・」
そこには地方都市の現実があった。
「山形R不動産:は発見ではなく、街に対して、新しい住み方自体を提案し、交流人口を増やすエンジンにしよう」そう方向転換した。

今、日本じゅうの商店街は空洞化に苦しんでいる。同時に、さまざまな活性化案が考えられているが、どれもなかなかうまくいっていない。
それは商業地を、商業の再生で再生しようとしているのに無理があるのではないか?


僕らの提案は、まちなかを「住む」エリアとして捉え直すこと。